私のストンプの会場の座席は、D列であったので、前から4列目で最高の位置であった。そもそもなぜ私がストンプを選んだかというと、以前のブログでも書いたかもしれないが、高校の担任の先生のおススメなのだ。私は最初はマンマミーアを見ようと思っていたが、先生のおススメということもあって、一度見てみようと思ったのだ。どのような内容かはほとんどわからなかった。
開演の時間である。会場が暗くなり、照明が少し付く。一人の男性が現れ、ブラシを持っている。さらに一人、さらに二人と人が現れ、その中には女性も含まれていた。ブラシで掃除しているのかと思いきや、リズムをとっていた。ブラシ一つでこれほどの音が出せるのかと感激。しかもこのチームワーク、一体どれほどの練習を積み重ねてきたのであろうか。この世界一のミュージカルの本場の中で勝ち抜いてきた者たちである。これに命をかけているのは、見ている私たちにもすぐにわかる。
ブラシ、ゴムのパイプ、椅子、ゴミ箱、ゴミ箱のふた、ジッポライター、新聞紙、ビニール袋などと日常生活でよく使われているもので、パーカッションを行っていく。どの演技も圧巻である。すごすぎる。英語が全く分からない人でもこれは120%楽しむことができる。なぜならパフォーマーはしゃべらないからだ。言語なしでここまで楽しませてくれるのは、驚きである。 約3時間弱くらいであろうか、一瞬で楽しい時間は過ぎ去ってしまった。最後はスタンディングオーベーション。割れんばかりの拍手であった。私もこれには満足であった。惜しみない拍手を送ってあげた。その後にさらに驚きの出来事があった。一人のパフォーマーが現れ、日本のために義援金を送りたいというのである。みんなで助け合っていきたいという。その言葉、歓声に、私は涙があふれてきた。それほどまでに日本のことを思ってくれているのか。うれしい。本当にうれしい。会場を出たところに、数名のパフォーマーがバケツを手に、義援金を集めていた。もちろん私もバケツの中にお金を入れ、日本から来ましたと、話しかけてみた。私はどうやってこの感謝の思いを伝えればいいのかわからなかった。具体的に何を話したかは、はっきり私もわからなかったが、とにかく“Thank you” を繰り返していた。本当にありがとう。これもアメリカの「TOMODACHI作戦」の一つなのかなと後で思った。
23時を回っていた。大通りからタクシーを拾ってホテルまで。やっと一日目が終わった。疲れたが、それ以上に楽しかった。最高である。
私は、今までアメリカ人に対しての悪口をよく耳にしていた。しかし今回のことで、アメリカの人はめちゃくちゃ優しいことが分かった。肌で感じた。何も知らない人が、アメリカの人の悪口を言っていたら、私は絶対に許さない。あれほどまでに日本のことを思ってくれていたのだから。今の私は、「感謝」しかない。本当にありがとう。いつか恩返ししなければ。
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