2011年6月25日土曜日

ニューヨーク

 旅の続きである。3月17日朝6時15分、目が覚める。まだスーツケースが届いていないので、顔も洗わず、何も食べずに出かける準備をした。準備ができ、部屋を出ようとして、ドアのノブを握った。しかし、なぜか突然外に出るのが怖くなってしまった。外はまだ真っ暗である。ドアを開けることができなくなり、ベッドに座ってしまった。5分くらい座っていたが、何をしにここまで来たのか、何のためにここまで来たのか、一歩踏み出さなければ、と自分を奮い立たせ、ドアを開けた。
 しっかりカギが閉まったかをチェックし、エレベーターのボタンを押した。しかし、なかなかエレベーターが来ない。仕方なく階段で下りていった。2回までたどり着いたが、そこから階段がなくなってしまったのだ。どこに階段があるのかと探してみたが、見当たらない。そこからエレベーターで降りることにし、どうにか1回にたどり着いた。
 ホテルの外に出た。空がうっすらと明るくなってきている。まずはグランド・セントラル・ターミナルという大きな駅に行こうと思い、歩き出した。歩いていけるかどうか心配であったが、パークアヴェニューという通りに出ると、それらしい建物が見えたので、歩いていくことにした。夜明け前というのにビジネスマンがたくさんあるいていた。屋台がたくさんあると聞いていたが、これから屋台の準備をするトラックがたくさんあった。アメリカの空気はやはり日本と違う。もちろんにおいもそうなのだが、アメリカのにおいがする。ニューヨークと言った方が正しいのかもしれないが。ニューヨーカーは信号無視は当たり前だ。警察がいてもお構いなしだ。警察もそんなことで注意しない。車が来なければさっさと渡ってしまう。歩くスピードも速い。「自由の国」そう感じざる終えなかった。
 ニューヨークの街並みを見ながら歩いていると、最初は怖い気持ちがあったが、いつの間にかわくわくしながら歩いていた。私もニューヨーカーに習って信号無視をする。大阪の人も信号無視はするが、ニューヨーカーほどではない。楽しい。本当に楽しい。ここがニューヨークか、アメリカか、と自分が異国に来たことを実感し始めた。私はニューヨークにいるのだと。
 写真をかなり撮って帰ってきたが、この頃はあまり写真を撮れなかった。カメラを銃と間違えられて、打たれたという事件が昔あったことを思い出していたからだ。私もこの頃はかなり警戒していて、なかなかカメラを構えて写真を撮ることができなかった。それが今思えば少し後悔だ。もっとあの時の写真を取っておけばと思う。しかし、あの頃の景色はまだ頭に残っている。
 グランド・セントラル・ターミナルに向かってひたすら歩いている。さぁ、ここから「ニューヨーク」を楽しむこととなるのだ。

 アメリカは「自由の国」と書いたが、私がワシントンDCのユニオン駅で上りのエスカレーターの乗っているとき、上りのエスカレータだというのに降りてきている人がいたのだ。そのエスカレーターには結構たくさん人がいたので、危ないと思っていたが、その人に注意する人は誰もいなかった。そこからやはりアメリカは「自由の国」と実感していた。

 

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