2011年6月16日木曜日

旅立ちの朝

 今日は朝から太陽が出ていて、暑い一日となった。快晴とはこのことを言うのだろう、と思うくらいであった。



 昨日書き忘れていたが、航空券は8万7千円くらいのものを購入した。成田空港からワシントンDCダレス空港への直行便なので、かなり安い方だろう。そしてもう一つ、購入しなければならないものがあった。それはスーツケースだ。近くのデパートなどに探しに行き、5泊7日のものを購入。TSAロックが付いてあるものだ。TSAロックとは空港で、スーツケースの中を調べるときに使うものだ。数字の暗証番号を自分で設定する。しかし、そこにカギ穴が付いているのだ。このカギ穴に合うカギは私は持っていない。空港の人が中を開けるときに使うのだ。これがTSAロックだ。
 次にしなければならなかったことは、両替だ。もちろん円からドルに。私が両替しに行った時の相場は、確か1ドルが83円であったような気がする。手数料はなしだ。300ドルと交換した。この金額も、高校の担任の先生のアドバイスだ。
 後は持って行くものを用意した。お菓子はかなり持って行くようにした。もし向こうでご飯が食べられなかった時のためだ。洗面用具、1週間分の衣類、ペットボトル2本。パスポートを首から下げる入れ物も購入した。肌に話さず持たなければならなかったからだ。ホテルに置いていくようなことはあり得ない。貴重品は常に肌に離さず持つのが旅のマナーだ。
 そしてアメリカに旅立つ前に、ESTAの申請を行わなければならない。これはアメリカに行くなら必ず申請しなければならないことだ。インターネットでできるので、それほど手間のかかるものではなかった。それを申請し、さぁ、いよいよ出発だ。

 3月16日の朝、5時。私は仕度をし、出かける準備をした。家族で起きていたのはお母さんだけ。急いでご飯を食べ、いざ出発。外は暗く、私も楽しみよりも不安の方が大きく、あまり気が乗らない。エレベーターのところまでお母さんが見送ってくれた。気を付けて、ではなく、「頑張ってきいな」であった。うん、そうだ。頑張らなくては。すべては自分で計画し、自ら選んだ道である。泣きごとなどは許されない。エレベーターを降り、上からお母さんが手を振っている。出かけるときはいつも見えなくなるまで手を振ってくれている。いつもなら「バイバイ」という気持ちで私も手を振るのだが、その時はそんな気持ちではなかった。無事に帰ってこられるだろうか…。恥ずかしいが涙が出てきてしまう。最初からこんなことで泣いていたらどうするのだ、と自分に言い聞かせていた。
 真っ暗な道をスーツケースがゴロゴロとやかましく音を立てる。私は行く。行くのだ。世界に飛び立つのだ。アメリカを見るために、世界を感じるために、そして自分のために。お母さんが見えなくなった。「頑張ってくるわ!!」

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