2011年9月19日月曜日

『明日のマーチ』

 やはり、今日もあいにくの雨であった。しかもかなり寒い。半袖では過ごせないくらいである。
 

 最近、『明日のマーチ』という石田衣良さんの本を読んだ。4人の派遣社員が仕事をやめさせられ、仕事場の山形県から東京まで徒歩で行くロードノベルだ。この前は就職活動の本を読んだが、今回は派遣切りの本を読み、なんだかせわしなくなってしまった。
 派遣切りという現実を突き付けられ、4人のうちの一人が東京まで歩いて行くというので、他の3人も付いて行くことに。歩くことに意味がないと思っていたが、彼らは気が付く。そこからの内容は書くことができないが、迷いを吹き飛ばすすがすがしい作品である。
 私も学生のうちに、青森から大阪まで自転車で帰ろうと思っている。この前は日本縦断と書いたが、青森から大阪でも良いだろう。この前ボランティアに行ったときに、自転車に乗った二人組の若い人に出会った。いかにも自転車で旅をしている様子で、私もそれに憧れていたので、話しかけてみた。東京の学生で、鹿児島から北海道まで自転車で旅をするらしい。8月の頭から始めて、出会ったのが中旬過ぎくらいで、もう日本の半分以上を自転車で走っている。同じ年の学生であったが、とても同じ年とは思えないくらいのたくましさがあった。あまり時間がなく話ができなかったが、「気を付けて行って来てください」と私が言うと、「ありがとう」と言い、握手をして彼らと別れた。
 彼らと出会い、そしてこの『明日のマーチ』の本を読んで、私もやってやろうという気持ちが強くなった。もちろんまだできるかわからないが、是非挑戦してみたい。私は最近、大阪まで帰るとなると、東京までは夜行バスを使い、そして東海道新幹線で大阪まで行く。夜行バスなので、景色を見ることはできない。新幹線も速過ぎるので、ゆっくりと景色を見ることができない。22年間日本で生まれ育ってきたが、この国のことはほとんど知らない。もちろん歴史、政治、現代社会・・・、ほとんど知らないと言っていい。完璧にこの国を知るということは不可能かもしれないが、せめてこの国がどんな街、村、山、河、自然、そして人が存在しているのかは知っておきたい。歴史や政治などは勉強しなければならないので、なかなか気が進まないところもあるが、徒歩とはいわないが、自転車でもいいからゆっくりこの国を旅するのもいい。海外、海外、と言っていたが、やはりこの国を知ることは何よりも大切だと思う。もちろん政治や歴史も知っておかなければならないのだが。新幹線なら2時間半もあれば東京、大阪間を行くことができる。しかし、その2時間半で得られるものはほとんどない。寝るか、本を読むかだ。しかし、何日もかけて旅をしながら前に進んでいくと、何かわかるかもしれない。何か発見するかもしれない。今まで思ってもみなかったことを思うようになるかもしれない。自分の人生が変わるかもしれない。そんなことを期待しながら、いつか私も挑戦してみたい。

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