2010年12月2日木曜日

何か残してみよう、傷跡として

 今日から12月の始まりだ。天気が良くなり、青い空が広がった。寒かったが、気持ちよかった。今年最後の月だ。今年やらなければならないこと、きっちりとけじめをつけたい。


 「こっちはめっちゃ楽しいで。」以前、浪人時代の友達に、久しぶりにメールをするとこんな返事が返ってきた。この言葉に私はなぜか、羨ましい、と心のどこかで感じていることに気が付いた。私は今の生活に満足していないのか。
 大学に入る前には、あれもしたい、これもしたい、こんなことに挑戦してみよう、などと自分のあこがれのキャンパスライフを描いて、大学に入学した。しかしその時の気持ちと今の気持ちとでは、大きくかけ離れていた。気が付けば、毎日をなんとなく過ごしている。楽しくない、というわけじゃない。楽しいと言ったら楽しいのかもしれない。しかし何かが違う。何が違うというのだ。
 私の理想のキャンパスライフは、自分というものの傷跡を残すということだ。それはどこでもいい。とにかく傷跡を残したい。今までの大学生活で、何か一つでも傷跡を残しているか。かすり傷一つない。つまり、私はここへきて何もしていないということだ。これはよう頑張った、自分でもほめてやりたい、そんなことはどれだけ探しても見当たらない。あの時の自分に申し訳なく思う。
 自分でもこうなるとは思っていなかった。なぜこんな自分になったのか。第一志望校に入れなかったからか。それとも何かに不満を感じているのか。何かに不自由を感じているのか。はっきりとした答えは自分でもわからない。しかし友達のメールで目が覚めたような気がする。「いつまでそうやって過ごすつもりなんや」と。私の古い友達は今、世界へと飛び立ち、自分を大きくさせるために、理想の自分に近づくために、活躍している。時々、メールが入る。「アメリカへ留学します」「ベトナムに行ってきます」「フランスへ留学します」彼らがうらやましい。自分のやるべきことを見つけ、実行していく。私にはそれほど大きなことはできないかもしれない。しかし私にしかできないこともある。ほんの小さなことでもいい。それを見つけてみよう。この地に傷跡を残そう。生きている証として。それは今からでも遅くはないはずだ。

1 件のコメント:

  1. 20歳の大学生です。通りすがり失礼します。
    同じ大学生とは思えないほどしっかりしていて驚きました。私もしっかりしないと。

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