2012年11月9日金曜日

これが人間関係

先日も書いたが、私は大阪で読書をしていた。朝井リョウ氏の本を2冊読んだのだが、『桐島、部活やめるってよ』、『学生がやらなくてもいい20のこと』である。まず、母が『桐島、部活やめるってよ』を読んでいたのだ。映画にもなった作品だが、最初はあまり読む気がしなかった。自分の好きな作家や、興味のある本は迷わず読むのだが、面白いのか、そうではないのか、そこで迷ってしまう。当たりならいいのだが、ハズレの場合もある。しかし、今話題の本は読んでおいたほうがいいだろうと思い、半分母にも勧められながら読んでみた。若い作者ということもあり、今までにない構造で、なかなか面白いではないか。桐島君が部活をやめることにより、周りの生徒に直接的にも間接的にも影響が及んでいく。数名の生徒の視点からストーリーが描かれているのだが、ここで一番すごいと思ったのが、桐島君の視点からはストーリーは全く描かれていないということだ。そこが私としては「やるねー」とついつい笑みがこぼれてしまうところであった。
 様々なタイプの高校生が、それぞれの視点で周りを見つめているのだが、これが高校生なのか、そして私もこのような時を過ごしていた、いや、今も過ごしている、そう思った。人のことを羨ましく思ったり、嫉妬したり。時には腹が立ったり。周りは周り、自分は自分と線引きしたつもりでも、それはできないことである。自分にとってはどうでもいい人もいるだろう。今まで全く自分には関係ない人と思っていた人を見ていて、ふと気がつくこともあるだろう。人間社会ではなぜかわからないが、上と下ができる。これは年上と年下という意味ではなく、わかりやすく言えばイケてるやつとイケてないやつだ。イケてるやつが目立ち、イケてないやつは目立たない。イケてるやつが勝者で、イケてないやつが敗者・・・・・。ちょっと待て。これは違うだろ。
 世の中にはいろんな人がいる。70億人の人がいれば70億通りの行き方があり、それぞれの人生があり、それぞれの物語があり、それぞれのストーリーがあり、それぞれのドラマがある。それは一人一人に必ずあるもの。テレビに出ている有名人がいい人生なのか。イケてるやつがいい人生を歩んでいるのか。以前このブログでも書いたが、筋書きのないドラマはどこにだって存在している。イケてるやつにも、イケてないやつにも、そして私自身にも。
 周りにいろんな人がいて、そしてお互いに何らかの影響を及ぼしながら生きている。たった一人の何気ない行動が水面のように及んでいく。それはイケてるやつにもイケてないやつにも何かを感じさせる。複雑化する人間関係の中に、勝者だの敗者だの、イケてるだのイケてないだの、黒だの白だの、そんなふうに考えるのは少し脇に置いておいたらどうだろうか。

 結論として、今回は何が言いたいのかは自分にもわからない(笑)。ただ、生きていくにおいて、単純に考えなければならないところと、そうではなく非常に複雑に入り組んでいるところがあるということである。

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