2017年8月25日金曜日

『ファイト・クラブ』

 昨日の投稿の補足というのかそれを少し書きたい。デヴィッド・フィンチャー監督のタイトルシーンがカッコいいという話をしたが、昨日の『ドラゴンタトゥーの女』のタイトルシーンはかなり『007シリーズ』のタイトルシーンにかなり似ている。主演のダニエル・クレイグを意識したのかはわからないが、もしこの監督ぎ007の監督をやったらこんなタイトルシーンになるのかなとも思ったのである。これだけでも観る価値がある。
 これも昨日少し書いた、『ファイトクラブ』なのだがタイトルだけ聞くと、ケンカに明け暮れている青春みたいな感じに聞こえてしまうが、内容は全然違う。よくミニマリストであったり、自己破壊であったり、孤独、暴力などそういったのがこの映画の大きなテーマとなっている。もちろんそれは正しいし、間違いないのだが、私は今回そのタイトルシーンでこの映画の意味、内容をほのめかしているならば、少し解釈が変わってくるのではないかと一瞬だが思ったのである。タイトルシーンは脳内の様子が描かれ、そこで白く発光するというのか爆発しているというのかそういうのも見られるが、これはおそらく神経が反応している様子である。主人公の目の前に、自分が最も理想とする人間が現れ、そこからストーリーがガンガン進んでいく。映画を観ればわかるのだが、これはやはりタイトルシーンであるように、これは脳内の戦いなのである。理想の自分に何もかも全て一枚上手。どんなことでも先手を取られてしまう。しかし、最後の最後についに主人公は理想の自分に先手を取ることができる。自分の意思が理想の自分の意思に打ち勝ったのである。そこでいつも涙が出てしまうのだが、本当の自分が理想の自分に勝った瞬間である。私はこの映画はそういうのも伝えようとしているのではないかと思う。一種の自己啓発映画なのではないか。この監督の作品からみて、この『ファイトクラブ』はおそらくコメディ部門に入るのではないだろうか。あまり知らない人が観れば、これのどこがコメディやねん!とツっこまれそうだが、この監督にしてみればそうである。この理想の自分の名前は、タイラー・ダーデンというのだが、『最高の映画キャラクター100人』に1位に輝いたことのあるくらい、影響力のあるキャラクターなのである。私もサイコーにカッコいいと思う。このタイラーや本当の自分のことばにものすごく元気をもらっているし、刺激されているし、ケリを入れられている。まずはタイラーのことば。映画の始まる前にタイラーからの警告メッセージがある。
“警告
このDVDを手にしたあなたこそが、この警告を必要としていたのです。あなたがこの無駄な警告を読む一秒一秒、あなたの人生の大切な時間が奪われているのです。他にすることはないのですか?この時間をもう少し有意義なことに使えないのですか?あなたの人生はそんな空虚なものですか?それともあなたは権威を表す者を誰しも尊敬、信用してしまうのですか?あなたは読むべき書を全て読むのですか?あなたは考えるべきことを全て考えるのですか?欲しいはずだと言われる物を全て買うのですか?部屋を出ろ!異性に会え!過剰消費もマスターベーションも止めろ!仕事をやめろ!けんかを始めろ!自分が生きていることを証明しろ!自身の人間性を主張しないと腐敗していく有機物でしかない。注意はしたぞ!
タイラー”
である。
そして本当の自分のことば。
“人生の持ち時間はいつかゼロになる”
である。
このメッセージだけで涙が出てくるし、熱くなれる。本当にすばらしいキャラクターである。私もかなり影響を受けた映画の一つである。ダラダラしてられないな。

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