2013年5月20日月曜日

ハーレムのゴスペル

 今日は休日で、今月唯一の連休である。昨日は朝の6時30分から夜の10時30分まで働いた。朝から夜はさすがに疲れる。まだまだ慣れないことばかりなので余計に神経を使い、疲れてしまう。今の場所に配属されてから約1ヶ月だが、仕事に慣れてきたという実感はない。もちろん最初の方に比べればマシなのだが、覚える仕事はまだ山ほど残っている。先輩方の足を引っ張ってばかりである。ノートを作って勉強しているが、まだダメである。一日でも早く慣れるようにしたい。


 先日、大阪の阪急百貨店でニューヨークフェアがあると書いたが、母が行ってきたらしい。しかし、それほど良くなかったという。まあそりゃそうだろう。ニューヨークのお店をいくつかもってきても、所詮それだけの話である。ゴスペルも聞けなかったらしい。うーん、これはもったいないと思うが。

アビシニアン・バプティスト教会
ここで私のニューヨークでのゴスペルの話をしよう。旅の3日目、日曜日の朝ホテル(ユースホステルだったが、私はシングルの部屋だった)を出発した。行き先はハーレム。セントラルパーク以北は行ったことがなかったので楽しみであった。朝9時からのゴスペルに参加しようと思っていたので、8時過ぎに出発し、地下鉄に乗った。初めての地下鉄である。135丁目駅に行きたかったのだが、この地下鉄は96丁目から2方向に分かれていた。次にくる地下鉄が私の行きたい方向に行くのかわからなかったので、近くにいた女性に聞いてみた。その女性は、「うん、行くよ」と言う。その言葉を信じて乗ったのだが、やはり心配になってきた。私は街を歩いていてもガイドブックは絶対に見ないようにしている。観光客と周りに悟られないためだ。観光客を狙ってくる人もいる。そのためガイドブックは誰も見ていないところでこっそり見るようにしていたが、今回はそう言っていられなくなったので、カバンからガイドブックを取り出し確認してみると、135丁目駅には行かないではないか。急いで96丁目駅で降りた。次の地下鉄も先ほどの地下鉄と同じ行き先だ。ここからの行き方がわからなかったので、男性に聞いてみた。どうやら私の行きたい方向の地下鉄は出ていないらしい。この96丁目駅から無料のバスが出ているというので、男性が教えてくれたところに行くと、無料の切符を配っていたのでそれをゲットした。地上に出たが、バスがどこから出ているのか周りをキョロキョロしていると黒人の女性が「バスはあそこだよ」と教えてくれた。バスも初めて乗る。バスの運転手に135丁目駅に着いたら教えてくださいと頼んだ。やっとのことで135丁目にたどり着いたのだが、8時50分であと10分で始まるではないか。私が行こうとしていた教会が138丁目だったので3ブロックを走った。到着したのだが、観光客は並ばないといけないらしく、観光客の列に並んだ。予想以上に観光客がたくさんいた。しかし、予定の9時を過ぎても中に入れてくれる気配がない。寒い中をひらすら待った。ここの教会に行く黒人の方々は実にすごかった。何がすごいかというと女性も男性も子供も頭から足先までビシッとキメていたのだ。いかにも高級そうな。あれほどパンチのきいた人の集団を見たのは生まれて初めてである。白色人種でも黄色人種でもあれほどのインパクトは残せないだろう。
 ここの教会はアビシニアン・バプティスト教会というニューヨーク最古の黒人教会である。日本に帰って調べてみたのだが、ヒラリー・クリントンさんも演説に来ていたらしい。寒い中をひたすら待ち、中には入れたのは11時半。約2時間半外で待たされるということになった。待っている間に何度もこの教会の説明などをしていたが、私はほとんど聞き取れなかった。何時に中には入れるかわからないとは言っていた。あと今日はWomen's Dayという日で、ゴスペルはあまりやらないといっていた。水曜日はゴスペル中心なので、そっちのほうがいい人は水曜日に来てくれという話であた。水曜日には私はワシントンにいるので、今日なんとしてもゴスペルを聞かなければならなかった。
 観光客は2階の席に案内された。教壇の上の席にゴスペルシンガーが約30名ほどいて、マイクで歌うシンガーが一人いた。ゴスペルは宗教行事なので、落ち着いた感じなのかと思いきや、あれはまさにライブであった。ものすごい迫力である。見ている人も手拍子。そして会場全員が立って手拍子し、拍手を送る。感動である。これがブラックカルチャーなのか。すごい。すごすぎる。私も立って泣きながら拍手を送った。説教もあり、女性が演説していたがこれも力強いすごい演説であった。ここでも立って拍手を送る。日本との大きな違いを見せつけられた。この力強さは日本には存在しないものだ。教会を出るときに、観光客を案内していた黒人の方と握手をした。その握手も力強かった。
 約2時間半寒い外で待ったのだが、待ってよかった。ディズニーランドのアトラクションで2時間半待つのとでは格段に話のレベルが違う。どっちかを選べと言われたら、迷わずゴスペルを選ぶ。今回のこのゴスペルの経験は私に強烈なインパクトを与えた。これからニューヨークを訪れた時は必ずゴスペルを聞きに行こうと思う。

 余談だが、この138丁目はダイハード3で、敵役のサイモンがマクレーン刑事に最初の命令で行かせたところであった。ダイハード3はニューヨークが舞台の映画なので、大好きな映画の一つである。

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