2024年2月4日日曜日

運命を受け入れるという選択

 前回の投稿でも触れてきた内容なのだが、ここ最近「マルチバース」関連の作品が多く描かれている。最近のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)もそうだし、昨年アカデミー賞作品賞を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』もそうだし、今回紹介するDCエクステンデッド・ユニバースの作品の一つの『ザ・フラッシュ』もそうである。マルチバースは他に多元宇宙、並行世界と言ったりもする。自分が今どういう選択をするのかで未来は大きく変わる。バタフライ効果ではないが、その可能性が無限にあるのだ。私が今パソコンに向かってキーボードをたたいているが、今すぐやめて荷物をカバンに詰め込んで外国行きのチケットを買って海外に飛んでしまうことも可能だし、仕事を辞職するための電話を一本入れることも可能だし、何か勉強を始めることも可能だし、何もせず寝ることだってできるし、そういった様々なことが起こりうる、そしてそれが今の私ではなく別の私がそういう行動をとっていて、それが別世界の私なのである。もしかしたら人間ではないこともあるだろう。そういう意味では無限ということばすら足りなく聞こえてくるのだ。そう考えたら別世界の私はどういった人間なのだろうか、どういう存在なのだろうかと、あれこれ想像してしまうだろう。もちろん自分だけではない。周りにはどういった人がいるんだろう、今いる環境はどういったものだろう、そう永遠に考えれてしまう。『ザ・フラッシュ』の主人公バリーは小さいころに何者かにお母さんを殺されてしまったのだ。しかし、お母さんを殺した犯人が第一発見者のお父さんになってしまい、お父さんが犯人として刑務所に入ってしまったのだ。バリーは新犯人を捜すために日々奮闘しているわけだがうまくは行かない。パスタを食べるのにトマト缶を買うのを忘れてしまってお母さんから買ってきてーとバリーとお父さんは言われ、買いに行っている間に殺されてしまったのだ。バリーはスーパーヒーローで光の早さで走ることができる超能力を持っている。悲しみのあまりに彼は高速で走っていると過去に戻れる能力に気が付くのだ。バットマンンのブルース・ウェインに相談しても、危険だから何もするなと言われたが、影響が出ない方法を考え、そこでバリーはあのトマト缶さえ買っておけば外出することなく、家にいられたはずだと考え、過去に戻ってトマト缶をそっとお母さんの買い物かごに入れて現代に戻ろうとしたら何者かにより時空からはじき出されてしまい、2013年に出てきてしまったのである。その世界ではお母さんは生きている世界であった。あとは省略するが、簡単に言うとゾッド将軍が現れ、世界が滅ぼされそうになっているので、この世界ではスーパーマンは存在せずにスーパーガールがいて、バットマンは今のバットマンではなく、別のバットマンがいて、あともう一人の自分がいて、このメンバーで世界を救おうとする話なのである。しかし、スーパーガールもバットマンも敵に殺されてしまったので、もう一人の自分は過去に戻ってなんとか死なない方法はないか探し始めたのである。でもバリー本人は過去を少しでも変えることが危険だということはわかっていたので止めようとするが、もう一人の自分は他に方法があるはずだと何回も何回も過去に戻ってやり直そうとするのだ。バリーは諦めようともう一人の自分に諭すのだが、もう一人の自分は諦めようとしなかった。バリー自身の世界で自分のお母さんが死んでしまうことも知っていたので、そんなことは絶対に嫌だともう一人の自分は諦めようとしなかった。バリーは過去現代に行き来する間の時空に何者かによってはじき出されたが、またその何ものかが現れ襲ってくるのだ。よく見たらそれはその時空のはざまから出られなくなってしまったもう一人の自分だったのだ。一体ここにどれだけいたのか。過去を変えすぎたせいであらゆる多元宇宙が崩壊しそうになっていた。そして、もう一人の自分はその自分を自らが犠牲になって倒し、バリー本人も自らの運命を受け入れ、あのトマト缶を元に戻すことを決めたのだ。その時に少しだけ過去のお母さんと話をして、その場を去っていくのだ。と結局内容を書いてしまったが、そういう話で、2時間半弱ある映画だが、その2時間15分くらいの話がなかったことになったので、ビックリしたのだ(笑)。といってもこの映画も号泣した(笑)。前回投稿した『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』と真逆のストーリーになっている。どちらもすばらしい話で、その運命を自ら変えてみせるという主人公と、自らの運命を受け入れるという主人公なのだ。同じマルチバース、多元宇宙、並行世界を扱った作品なのに、こうも違う作品ができるのだなーと。この2作品はほぼ同じ時期に公開されていたので、中には一日にこの2作品を映画館で観て、頭がおかしくなりそうだったという人もいたようだ(笑)。私は別日だったので、それはなかったが、最近ではスーパーヒーロー疲れプラスマルチバース疲れもあるようだが、この2作品を観たらいやいやまだまだいけるなーと思ってしまう。このDCエクステンデッド・ユニバースは今劇場公開されている『アクアマン2』でいったん終了し、また新しいシリーズがこれから始まるのである。せっかくだんだん良くなってきたシリーズだったのになんかもったいないなーと思ってしまったのだ。タイムマシンがなぜできないのか、その一つの理由に納得したものがあるのだが、タイムマシンは存在していて、みんな過去を変えたりしまくっていたら多元宇宙、並行世界が崩壊してしまって、唯一タイムマシンが存在しない世界だけが残ったという理論である。なるほど!!と感心したが、本当のところはどうかわからない。周りは年上の人ばかりで、私はまだ若い?方みたいだが、よく聞くのが「私もその年に戻りたい」と。どうやら過去をやり直したいみたいだ。今というのは過去の積み重ねに過ぎない。今のこの瞬間が未来につながるのだ。今、自分がどういう行動をとるのか、どういう選択をするのかで、未来は当然変わるのだ。未来は変えられるんだ。この瞬間を大切にしろとよく聞くが、それは未来を変えるためなんだ。この瞬間をどう選択していくのか、この小さな選択の連続が未来なんだ。未来の自分が今の私に、未来を変えてみろよとそう言っているような気がする。だから私は今からとりあえずお風呂に入ってこよう。

0 件のコメント:

コメントを投稿