2021年8月15日日曜日

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』

 前投稿は文句ばかりを書いてしまったが、それを書きたかったわけではない(笑)。もっと言いたいことは山ほどあるが、ついつい長くなってしまったのである。
 昨日、映画館にて8月13日公開のDCユニバース作品『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(以下『ザ・スーサイド・スクワッド』)を観てきたのである。たまたま公開日と重なってしまったのだが、以前から楽しみにしていた作品の一つである。しかし、楽しみと言ったら楽しみであったが、不安もかなりあったのも事実である。なぜかというと、2016年公開のデヴィッド・エアー版『スーサイド・スクワッド』があり、この映画が期待には程遠い作品だったのだ。“スーサイド・スクワッド”というのは”自殺部隊”という意味で、悪いヤツらが政府と取引をして、それこそ自殺行為に等しいほど難しいミッションに挑むということなのだが、デヴィッド・エアー版の作品には確かに死ぬには死ぬのだが、そこまでハラハラ感であったりワクワク感であったり、そういうのがほとんどなかったのである。そして各キャラクターの扱い方が中途半端な印象になってしまっているのである。なので、今回の『ザ・スーサイド・スクワッド』は続編と言ったら続編なのだが、ほぼリブートに近い。内容は全然違うのだが。今回の『ザ・スーサイド・スクワッド』の監督はマーベル・シネマティック・ユニバースのジェームズ・ガン監督である。おっと、これではわからない方もいるかもしれない。私の大好きな『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督である。なぜMCUにいた監督がDC作品の監督をしているのかというと、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーvol.3』の撮影に取り掛かろうとしていたら、ガン監督の昔のTwitterの投稿で差別発言があったと公開されたため、ディズニーはガン監督を解雇したのである。後に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズはガン監督なしでは作れないということで再びMCUに戻っているが。当時、MCUを解雇された直後にDCエクステンデッド・ユニバースの配給会社ワーナー・ブラザースから連絡があって、撮りたい映画を撮っていいと言われたらしい。これはこれですごいことだが。いろいろ悩んだ末にガン監督が選んだのは『スーサイド・スクワッド』であったのだ。スーパーマンも提案されたらしいのだが、もともと『スーサイド・スクワッド』が好きであったし、底抜けに常識外れの映画が作れるかもしれないと思えたことらしい。それに昔から、理想の生活に恵まれない人々がチャンスを得る物語、あるいは償いの機会を得る物語に惹かれていたのだという。私の好きな監督であったのでものすごく期待をしていたのだが、ガン監督の作品を観てみると、一つ目の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』がピーク?な印象もあったのだ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーvol.2』がトーンダウンしてしまっていたし、MCUはディズニー傘下ということもあっては安定感のあるおもしろい作品を放っているが、DCはいわば笊みたいで当たり外れが激しい。作風もすべて全然違う。これはDCユニバース陣らもこれでいくと正式に発表していたが、雑過ぎるだろと思えるくらいであった。そういうこともあり、今回のガン監督の『ザ・スーサイド・スクワッド』は不安があったのである。だが、しかし、いざ本編を観てみると・・・。いやー、本当にすばらしい映画であった。めちゃくちゃおもしろかった。これはすごかった。やるじゃんかガン監督!!と本編最後に心の中でガッツポーズしてしまった。これこそスーサイド・スクワッドである。もう本当に誰が死ぬのか全然わからない。バタバタ死んでドバドバ血が噴き出ているし、ガン監督得意の音楽でチョーノリノリで悪党たちが暴れまくる。ちなみにこの作品はR15指定である。これはすごかったなー。ガン監督をダメにしていたのはディズニーだったのかと思う。こんなにもすばらしい映画なのに、アメリカのオープニング興行収入が良くないのである。この理由は先ほども伝えたが、全作品のデヴィッド・エアー版の『スーサイド・スクワッド』がよくなかったのみあり、みんなが敬遠したのもあるだろうし、再びアメリカでラムダ株のコロナが猛威を振るっているということもあり、良くないみたいである。これから巻き返してほしいのだが。デヴィッド・エアー版の『スーサイド・スクワッド』を悪く言っているように聞こえるかもしれないが、ガン監督はデヴィッド・エアー監督は最高の仕事をしたとおっしゃっていた。彼がスーサイド・スクワッドの道筋を示してくれたのだと。確かに、デヴィッド・エアー監督の『スーサイド・スクワッド』がなければ、ガン監督の『ザ・スーサイド・スクワッド』はなかったのだから。実際にデヴィッド・エアー版の『スーサイド・スクワッド』は大ヒットしていることに違いはないのだから。昨年同様に今年もコロナで様々なところで悪い影響をもたらしているが、最近ここでも取り上げた『ゴジラVSコング』や『ブラックウィドウ』、そして『ザ・スーサイド・スクワッド』が映画産業だけでなく、人々の心の灯になってほしいと心から願う。最近、最新作だけでなく、Blu-rayで買った作品などすばらしい映画に立て続けに出会っているのに心から感謝したい。生きている間にこんなにもすばらしい作品と出会えて本当によかったと思う。本当に毎日イヤなニュースばかりで、本当に我々はめちゃくちゃ怒っているし、気が狂いそうになるし、キレそうになる。しかし、こういったすばらしい作品が、度の過ぎた過剰な表現が我々の心に平常心を取り戻してくれるのだ。死にたくなることなんてしょっちゅうだが、まだまだ生きていこう、生きていたいと思えるのである。俺たちはまだまだ大丈夫だ。

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