2020年1月16日木曜日

『フォードvsフェラーリ』

先日友人と二人で新宿にある映画館で朝一で『フォードvsフェラーリ』という新作映画を観てきたのである。本当は『ティーン・スピリット』という映画も観たかったのだが、友人が好きそうなのが『フォードvsフェラーリ』だったので、こちらを観てきたのである。新作ということもありしかも日曜日だったので、かなりの人がいたのである。この映画の感想は、もう本当にすごいすばらしい映画であった。めちゃくちゃ熱い映画だったのである。これは映画館で観る醍醐味みたいなものを改めて感じた手に汗握って笑って涙が出る映画であった。この映画は実際の話をモデルにしていて、舞台は1960年代である。ル・マン24時間耐久レースという伝統的なレースがあり、その時代はフェラーリが絶対王者だったのである。そこにアメリカのフォードが参戦するという話になるのだが、なぜフォードが参戦することになったかというと、フォードは元々大衆車しかなかったというか、「大衆車」を発明したのがフォードだったのである。車というのは金持ちしか持てないような贅沢品であったが、フォードが大衆車というのを発明して、今まで富裕層と貧困層しかなかったのだが、そこに中流階級というのを作ったのがフォードだったのである。フォードは巨大な工場でものすごい人数の人がそこで働いてベルトコンベヤーの流れ作業で車を作っていったのである。でもその中流階級からまた階級が出てきて、若い人たちが「オシャレな車に乗りたいなー、カッコいい車に乗りたいなー」となってくるのだが、フォードはあくまでも大衆車なので、“フォードはダサい”というイメージが付いてしまっていたのである。そこでフォードはムスタングというスポーツカーを発表するのだが、イメージが付いてしまっているため全く売れないのである。そこでレースに出てそのフォードのイメージを覆してやろうということでレースに参加するのである。しかし、レースのノウハウが全くないので、ル・マン24時間耐久レースに勝ち続けているイタリアのフェラーリを買収してしまおうとフォードは言うのだが、結局交渉は決裂してしまうのである。なぜならフェラーリはフォードをバカにしていたからである。なぜならフェラーリはイタリアの職人が作るまさに芸術的な車だからである。フェラーリの社長のエンツォ・フェラーリが「ダサい工場でダサい車作ってるな」と言うのだ。もう完全にフォードのことをバカにしていたのである。そこでフォードは開き直って「フェラーリを潰す」っていうことになるのだ。そこでフォードが目を向けたのが、一匹狼の元レーサーでカーデザイナーのキャロル・シェルビーという人がいて、ル・マン耐久レースで優勝したことがある人と、そのシェルビーがケン・マイルズという中年のイギリス人レーサー雇うのである。シェルビーは心臓の病気でもうレースには戻れないし、マイルズは荒れ荒れの男で、もう二人ともアウトローで、しかも互いに常にぶつかり合っているのである。レーサー、エンジニアとしては共に優秀なのだが、フォードというお堅い大企業とは全く合わないのである。この映画のタイトルは『フォードvsフェラーリ』だが、途中からフォードvsこの2人になってしまっているのである。でもこの2人がケンカしてだんだんと友情を絆を深め合っていくところもおもしろくて、そもそも病気であったり、年齢的にも限界であったりと、二人にはレーサーとしてはこの先もう無理だと諦めているところだったのだ。でもこのフォードからの話が来て、セカンドチャンスで命を懸けるというところも本当に涙が出てしまう。このレースに勝つには何年も何年も時間をかけていくしかないのだが、たった3年で優勝しろという無茶ブリなのである。でもシェルビーがマイルズに向かって、「歴史を変えようぜ」と言うのだ。この映画のすごいところは、このレースのシーンはすべて実際に車を走らせて撮っているというところである。CGは一切使用していないのだ。背景だけは当時のものにしないといけないのでそれだけCGを使用している。レースのシーンはものすごく迫力があって、あのエンジンの音がすごいのである。もう本当にすごい展開で、どうなるんだどうなるんだと心臓バクバクの映画である。友人はマイルズ派で私はシェルビー派であった。そこもよかったのである(笑)。でも最後にとあることがあり、シェルビーがマイルズの子供に会うシーンがある。シェルビーは涙を流すまいと必死に耐えているのだが、目からは涙が溢れ出てきてしまう。彼の子供を前にして、自分は大人として振舞わなければならないというのもあっただろう。しかし、受け入れられない悲しすぎる現実があった。彼の子供に“あの”レンチを渡し、遠くから見ていたマイルズの奥さんに手で合図する。このままじゃいけないんだとその悲しい現実を吹っ切るかのように、シェルビーはアクセルを全開に踏み込んだのである。

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