2015年11月3日火曜日

次の“山”へ

怒涛の、前代未聞の壮絶なライブが終わった。あっという間だった。本当にあれは現実だったんだろうか、もしかしたら夢だったんじゃないかとも思えた。どうだった?と聞かれても感想なんて言えるわけがない。そんなものではない。“すごかった”、それだけ。
 さあ、ここからが本当の戦いだった(笑)。規制退場だったが、その内容をアナウンスで聞かされたとき、会場がどよめきに包まれた。新宿からバスに乗る際にリストバンドが渡されたが、私のリストバンドには「カ」と書かれていた。今その意味がわかったのである。リストバンドに書かれているアイウエオ順に退場するというものであった。ア行の人は6時30分から退場、カ行の人は9時退場、サ行の人は11時30分退場、それ以外の人は13時退場と画面に映し出された。私はまだ早い方であった。時間までご飯を食べ、会場を回ったりして時間をつぶし、「カ」の人が呼ばれると退場ゲートに向かった。ライブが終了して約3時間後に会場を出ることができたが、まだ安心できなかった。会場を出ても、バス乗り場まで2キロ歩かなければならない。しかもスムーズに進まないのだ。ディズニーランドのアトラクションに乗るまでに並ばないといけないが、それよりも遅かった。途中、眠過ぎて立ちながら気を失ってしまった(笑)。やっとの思いでバスに乗ることができ、バス乗り換え場所まで連れて行ってくれて、そこから新宿行きに乗り換え、新宿に戻ったのは14時くらいであった。気になるのは最終的に会場を脱出できた人は情報によると18時だったらしい。これはヤバい。そりゃ大変だ。でもあれほどの不便な場所で10万人規模の人を動かすになそれくらいの時間がかかるものなのかもしれない。
 無事に帰ってくることができた。開催前より、オールナイトをやるのはこれで最後、と公言していたため、様々な勝手な憶測も流れていた。しかし、あそこに集まった10万人は聴いたはずだ。長渕がステージから去るときに最後に残した言葉を。「これからもまだまだいくぞー!!ありがとう!!」。私たちは彼の言葉を信じ、それぞれの日常へ戻っていく。ライブ中、「おまえたちがいるから、今俺は生きてるよ!」と言ってくれたが、私たちもまた「長渕剛がいるから、今生きている!」のだから。来年、60歳を迎える長渕剛である。“富士”という山を登りきった彼は、もう次の“山”を目指して歩き出している。そして私たちもまた。

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