2015年1月2日金曜日

腹立たしいこと

接客業というのは腹立たしいことがよく起こるものである。しかし、それに対して反抗してはいけないという当たり前でだが社会人としての、そして一百貨店スタッフとしてのルールがある。それに対しても腹が立つこともあるが、それはさて置き。私が働いているお店と、その近くに厨房があるのだが、少し移動しなければならない。その際に従業員専用通路はなく、お客様が使用する通路を使用しなければならない。ある日、店頭から厨房の作業をしに行こうと移動していると、とあるお客様いやおっさんが他店ではあるが会計中の商品を落としてしまい、歩いている私の方へ転がってきたので、私はその商品を拾って渡そうとしたのだ。私の予想としては、「ありがとう」など何かしら返答があるだろうと思っていたのだが、私の顔を見ることもなくその商品を受け取って背中を向けたのだ。もちろん私は何も言わずそのまま厨房作業に入ったのだが、もし私が客のひとりで同じようなことが起こったら間違いなくそのおっさんに文句を言っていただろう。なぜ何も言わないのか。私がスタッフのひとりだったからか。いや、そうだとしても「ありがとう」くらい言うのが筋ではないのか。「アホか」と小さく呟いた。
 次に、私がお店のいてある商品の在庫の確認をしていた時だった。「すみません」とどこからか聞こえたので顔を上げてみると、女性のお客さまが一人立っておられたので、私は「すみません、お待たせ致しました。」と小走りで接客に戻ったのだ。こういうことはよくあることで、私のお店はほぼU字型の形をしていて、そのなかに大きな柱もあって、その柱が影になって見えない時があるのだ。もちろんお客様を第一にしなければならないし、待たせてしまうことも事実なので、お詫びはいつもしている。今までお客様から怒られたことは一度もないが、今回初めて怒られた。しかし、怒られた原因が私にはよくわからなかった。続きに戻るが、私が接客に戻った時、急に「ここのお店のスタッフは悪魔みたい!」といきなり言われたのだ。私は聞き間違えたのかと思い、もう一度言ってもらうとやはり同じ回答だった。起こっている人に「なぜですか?」と言うと余計怒ってしまう可能性があったのでそれはやめておいたのだが、何に対して起こっているのかわからなかった。待たせてしまっていたのか、他のスタッフの対応が悪かったのか・・・。待たせてしまっていたとしても、言い訳になるかもしれないが気が付かないときもある。何が悪いのかわからないまま謝るのは嫌だったし、いきなりそんなことを言われて私も腹が立ち、「そうですか」と言った。私は百貨店スタッフ失格である(笑)。頼まれた商品を包んでお渡しするとひったくるように持っていった。私は心が汚れているので「なんやねんあのおばはん」と心の中で言ったのだ。うん、間違いなく接客業失格である(笑)。少ししてから厨房作業に入るため、通路を歩いて移動しているとさっきのお客さんが買い物をしていたのだが、かなり怒った顔で私を睨みつけていたのだ。私は歩きながら表情を変えることなくその顔を2秒ほど見て視線を変えた。普通ならもう一度謝罪しに行くのだろうけど、私はしなかった。そんなに腹が立つんだったら買わなきゃいいのに、と思ってしまった。もし、反抗してもいいというルールがあれば間違いなく、「なにメンチ切っとんじゃコラ」と不満の洗いざらいすべてぶつけていただろう。うん、明日にはクビだな(笑)。まあ、この件は私の側に問題があっただろう。何が原因であるにせよ、すみませんでした。
 いろんな人がいるので接客する側も大変である。それをよく理解しているので私が買い物をする側になればちょっとくらいなにかあってもいちいちそれに反応することはない。みんな楽しく仕事したいじゃないか。みんな楽しく買い物したいじゃないか。言いたいことがあるときは、“怒る”というよりも“指摘”という手段を使って。接客もなかなか難しいものである。

2 件のコメント:

  1. 変なお客が立て続けに2件、ですか。
    大変でしたね。

    落としたものを拾ってもらったことに対して何も言わない人は、
    こりゃもう社会人としてダメですね。どこの街にも、ある割合で、そういう
    人がいるもんなんでしょう、きっと。

    買い物先でいきなりクレームをつけて登場する人、
    これもきっと、残念ながらどこの街にもいる人種なんでしょう。
    怒っている理由を明らかにせず、怒りだけをスタッフにぶつけてくる人。
    理由を尋ねようものなら、「何に怒られているのかも分からんのか!!」と
    逆ギレするタイプ。あぁ、めんどくさいですね。
    〝悪魔みたい”なスタッフがいる店なら、そもそもそこで買い物しなきゃいいのにと思いますね。
    人にはそれぞれ、他人には分からない(他人はそれを理解する必要もない)事情を抱えているものだと思います。もしかしたら例の”おっさん”も、”おばはん”も、その時何らかの理由があって、結果としてそういう対応になったかもしれないし。
    前日に携帯落としたとか、財布を無くしたとか、職場や家庭で何か嫌なことがあってやたらイライラしていた、とか。
    でも、
    それを外に出して他人に感情をぶつけるのは、決してスマートとは言えませんね。
    ものすごい高級店でもないのにもかかわらず、一般的な店でも店員さんの対応が丁寧なのは、おそらく日本ぐらいでしょう。
    海外でもし変なことをしたら、すぐ警備員に連れて行かれるか、返り討ちにあうか、下手をすれば銃で・・・  あぁぁ・・・
    お店の構造や柱の存在でスタッフが確認しにくい状況なら、
    インターホンのようなものをつけてもらうとか、スタッフが店の奥にいることがあるから声をかけてほしい旨を張り紙しておくとか、何か方法があるのかもしれませんね。 
    ・・・いろんな対応をしても、前述のような人種に対しては、有効ではないのかもしれませんけど(笑)普通の社会人なら、よほどのことがない限り店先でトラブルを起こしたりしませんから。

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    1. Abbyさん、コメントありがとうございます。
      私もイライラしているときやスタッフの対応が悪いときはついつい文句を言っちゃいそうになりますが、
      自分も一応接客業の一人として、スタッフも一人間ですから、
      たまにはそういうこともあるよね、と自分に言って思いとどまらせていますね。
      対応が悪かったりするのは本当はダメなんですけどね。
      確かに様々なお店などがある中である程度のレベルの接客を受けられるのは日本だけだと思いますね。
      アメリカは良いか悪いかの両極端。
      様々な国や地域からそれぞれの問題を抱えてやってきます。
      そしてやりたくない仕事でもやらなければならない人がたくさんいます。
      日本人が想像できない背景を彼らは持っているので、私はアメリカに行って様々な接客を受け、やはり無愛想な人もたくさんいました。
      しかし、そういう理由をほんの少しだけ勉強していたので、私は逆に彼らに笑顔をプレゼントする気持ちで笑顔で“Thank you!!”と言っていました。
      些細なことで争うのは嫌ですね。
      ある程度のことは受け入れられる大きな器を持った人間になりたいものです。

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