前回投稿した『ツイン・ピークス/リターン』をすべて観終えた。これはもうなんていったらいいのか。こんな作品はもしかしたらもう二度と観れないかもしれないと言ってもいいかもしれない。これほどいろんな要素が含まれている作品はほかにないだろうし、こんなに憑りつかれるのもないだろう。以前にも書いたが、これはファンなどには作れない、オリジナルにしか、リンチ監督にしか作れない作品である。誰も予想できない展開、事件、謎、夢、異空間、超現実。意味不明な、理解不能な展開が次から次へと出てきて、もう本当にすごい作品である。観客から大ブーイングを受けた『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』がドラマシーズン1、シーズン2の世界を広げ、今回のリターンで新たな『ツイン・ピークス』という“世界”を構築している。前回のドラマシリーズから約25年後の今回の作品であったが、ドラマの中でも、そして現実でも25年後の世界である。目に見えない“何か”を感じざるを得ない。残念ながらその25年間の間に亡くなってしまった方がいるし、『リターン』を撮り終えて亡くなってしまった方もいて、ドラマを観ながらいろんな思いが交錯してしまった。本当にすさまじい作品である。
今回の作品で一番驚かされたのは“遅さ”である。俳優、女優たちがみんな年を取ってしまったというのも当然理由の一つとしてあるだろうが、なんせ“遅い”のである。1シーン1シーンをものすごく丁寧に撮っているし、何も起こらないことを永遠と撮り続けていたりもする。ほうきで床を掃いているシーンがあるのだが、なにか起こるのかなーとじっと観ていたのだが結局何も起こらなかったのである。こういったシーンがたくさん出てくるのだ。全部で18話あるのだが、その中で“意味の無い”シーンというのがたくさんある。そのシーンを飛ばしてもストーリーの内容としては何の問題もない。しかし、それをしてしまうとこの『ツイン・ピークス』という世界を体験したことにはならない。普通の映画やドラマであれば絶対にカットされるであろう省略されるであろうシーンが山ほどあるのだ。しかし今回はすべてリンチ監督の権限の元撮影をしているので、これらは絶対に必要なシーンなのだ。今回の作品を作る際に、配給会社はリンチ監督に予算を提示したのだが、リンチ監督は「この予算では制作はできない」と言って断っている。それでも配給会社はリンチ監督抜きでドラマを制作しようとして、全部で9話になるドラマを考えていた。しかし、『ツイン・ピークス』関係者、俳優たち、女優たちが、“NO LYNCH, NO TWIN PEAKS”といってリンチ監督抜きでは『ツイン・ピークス』はあり得ないと反対運動があり、配給会社は再びリンチ監督にお願いをして制作が始まったのである。なので予算の面からも、芸術性の面からも、リンチ監督自身が納得のいくように作っているし、それが可能となったのである。これほど自由度の高い作品は本当になかなか観ることができないのである。そういう意味でもすごい作品なのだ。
前回のシリーズもそうだし、今回もそうだし、ほかのリンチ監督作品もそうなのだが、本当に訳の分からないシーンがたくさん出てくる。夢なのか現実なのか。でもそれはわかりにくく作っているので訳が分からなくて当然である。事細かにこのシーンはこういった意味があって、犯人は誰で、とかそういったこと自体にリンチ監督は全然興味がなく、ただ“謎”を楽しんでもらいたいというメッセージが込められている。だからあるシーンについて神経質になっていろいろ考えるというのはリンチ監督が思っている楽しみ方ではない。なのでもう本当に「謎って気持ちいいねー」ということである。まだ一度しか観ていないので、また1話目から観なおしていきたい。5日くらい前だったか新しい情報が入り、今回の『リターン』のブルーレイ・DVDが今年の7月4日に発売されるというのだ。早速予約注文をしたのだが、ブルーレイには400分以上の特典映像がついているので、本当にブルーレイが観れるようになってよかったと思っている次第。今は観終えた直後で頭の中が全く整理できていないので、改めてこの『ツイン・ピークス』について書いてみたい。
日々の生活の中で、感じたこと、考えたこと、思ったことをテキトーにくだらない感じで書いているブログである。ブログタイトルは映画『キングスマン』の1シーンからパクって今までのタイトルと合わせたものである。 コメントを投稿していただいた方の返答はそのコメントの下に書かせていただいております。返答はコメントのところをご覧下さい。
2018年4月24日火曜日
2018年4月19日木曜日
リンチ・ワールド全開で始まる
もう4月の後半ということで時間があっという間に過ぎていってしまっている。朝と夜はまだまだ肌寒く、長袖が必要な気温である。もうすぐゴールデンウィークで、それが過ぎたら梅雨になって、それが過ぎたら夏で、そしたら秋で、気がつけばまた冬になって、・・・。そう考えると本当に一年って早いものである。このサイクルがあと何回自分は経験するのだろうか。平均寿命を考えると、70回?くらいだろうか。これは平均なので、自分はもしかしたら50回かもしれないし、30回なのかもしれない。そういうことを考えていると人生って短いなぁ〜と思う。なんでもやったもん勝ちというのは的を射ているような気がする。何もしないよりもなんでもいいから楽しんだ方がいいに決まっている。そう自分に言い聞かせて映画をたくさん買ってしまっているこの頃である(笑)。
先日Amazonで映画のDVDを買ったのだがなかなか届かず、配達状況を調べてみると「配達完了」と表示されていたのだが、こういうケースは前にもあり、もう数日待っていたら届いたので、今回もそれだろうと思っていたのだが、それでも届かなかったので、配達業者に電話したのだがなかなか繋がらず、しょうがないのでAmazonに直接電話したのである。Amazonはすぐに繋がり、状況を確認しますとのことであった。さすがAmazonというのか対応が早かった。数日待って連絡がきたのだが、確かに配達したとの回答が返ってきたみたいだが、私はもらっていないのである。私もそれを伝えて、商品紛失ということで再配達してもらうことになった。電話でのやり取りがいろいろ面倒であったが、Amazonの対応の早さには驚かされた。
ついに私はパソコンを買い換えたのである。今まで使っていたのはやはり少し無理が出てきていたので、買い換えることにしたのである。でも、今まで使っていたものはまだ使えるので、まだまだこれからも使っていこうと思っている。新しいのはまだまだ使い慣れていないところもあるし、なかなか思った通りに動いてくれないので、慣れるまでに少し時間がかかりそうである。そしてついにブルーレイが観れるようになったのである。そして、さっそく友人にお願いして録画してもらっていた『ツイン・ピークス/リターン』を観始めたのだ。全部で18話あり、まだ2話しか観ていないのだが、もうなんて言ったらいいのか全くわからないのである(笑)。もういろんな意味ですご過ぎて、ちょっと今はどうしようもない状態である。まだ始まったばかりなので、この先の話のキーワードになるだろうと思われるシーン、事件、出来事、が大量にブチ込まれており、今は説明不可能である。もう本当に意味不明で理解不能で、全くついていけないのだが、この感覚がもうなんていったらいいのかわからない。この知的好奇心というのか、本当にリンチ・ワールド全開である。アメリカでも日本でもそうだが、地上波放送ではなく、限定された放送だったので、本当にリンチ監督がやりたい放題なのである。ヌードシーンや恐ろしいシーンもさっそく出でいるし、ちょー興奮しているのだが、話やシーン自体はめちゃくちゃダークな雰囲気で異様な空気を醸し出している。観ていても怖い怖い(笑)。前回は制作会社や視聴者からいろいろなことがあり、妥協していたところはあったが、今回は全部リンチ監督が仕切って一切妥協はない。本当はこういうことをやりたかったんだなぁーと思う。リンチ監督は72歳だが、この人の頭の中はどうなっているんだと思ってしまう。もう歳をかなり重ねているということで、もう映画は撮らないといっていたのだが、今回のこの『リターン』はめちゃくちゃ分厚い脚本を俳優たちに渡されたのだが、全部で18話あるといったが、これはただ放送時間以内に収めるために切って18話になったという話なので、18話連続しての長編映画みたいになっている。まだまだ元気じゃねーかよ!とツッコミたくなってしまう。とにかく今はちょっとすご過ぎて気持ちの整理がつかない。新しいキャラクターも登場しているのだが、昔からのキャラクターも登場していて、久しぶりに再会できてすごくうれしい。1日でも早く早く全部観たいのである。
2018年4月10日火曜日
彼がいなかったら人類は滅亡していたかもしれない
先日少しだけ体調を崩してしまっていたのである。多忙なのはいつものことなのだが、このすごく過ごしやすい時期に気が緩んでしまったのか、ちょっとしんどくなってしまったのである。今はほとんど回復しているのだが。仕事のスタッフの人数が少ないので、休むことはできない状態である。休んでしまうと他のスタッフに迷惑や負担がかかってしまうので、体調には気をつけていきたい。
前回の投稿でDVDをたくさん購入してしまったことについて書いたのだが、それぞれいろんな意味というのかそういうのがあり、説明しようかなとも思ったのだが、全部してると大変なので今回は“ブルース・リー”について書いてみたい。
私がブルース・リーを知ったのは小学生のとき父が観ていたから、というおそろしく単純な理由である。それは『ドラゴンへの道』である。その後に『燃えよドラゴン』、『ドラゴン危機一髪』を観ておそろしく感動したのである。なにが感動したかというと、あんな動きが人間にできるのかということである。
今の人というと曖昧ではあるが、私と同世代、それより若い世代には馴染みがないかもしれない。同世代であったらブルース・リーよりもジャッキー・チェンの方が馴染みがあるかもしれない。でも私はブルース・リーの方が当時から絶対にカッコいいと思っているのである。これは私があまり知らない映画ライターのことばだが、“映画で世界を大きく変えた歴史上ただ一人の人物であり、ブルース・リーが世界で最も偉大な映画人であることは宇宙の絶対真理である。ブルース・リーがいなければ映画はとっくに滅びている。キリストやブッダか、それ以上。世界はブルース・リーを中心に回っている。”ということである。私はおそろしくこの意見に賛成であるし、実際にその通りである。ブルース・リーが有名になる前は、すべてがアメリカやヨーロッパが中心の世界であった。文化も経済も政治もなにもかもである。しかし、そこでブルース・リーが現れ、白人をボコボコにしていくのである。それをきっかけに東洋の思想などが見直されていったのである。本当に昔から私はこのブルース・リーを知っていたが、知識がなさすぎて語ることができない、もしくは語っては無礼に値すると思ってしまうほど偉大な人なのである。というより人の形をとって現れた神である。そこで今回この“神”をもっと知らなければならないと思い、DVDを購入したのである。今回私が初めて観た『ドラゴン 怒りの鉄拳』はものすごく感動したのである。日清、日露戦争後で大日本帝国が勝利した数年後の上海が舞台なのだが、もうわかる話だが日本人が敵なのである。とあるシーンで、“犬と中国人はお断り”という看板をブルース・リーが見つけるのだが、その看板を粉々に蹴り飛ばすシーンは涙が流れる。このシーンは同じ状況下に置かれている人々にどれほどの力を与えたことか。日本人がブルース・リーに向かって、「お前が四つん這いになって俺の犬になるんだったら中に入れるぞ」と言うが、ブルース・リーはその日本人をボコボコにしばき上げるところは本当にサイコーで気分がスッキリするのである。話は変わるのだが、ボスニアヘルツェゴビナでずっと内戦がつづいていたのだが、やっと平和が訪れたということで、もう二度とこういうことを起こさないために平和の象徴として銅像を建てようということになり、そこで選ばれたのがブルース・リーなのである。人種や民族で分断されていがみ合うことに立ち向かうシンボルとして、いろいろ考えた結果ブルース・リーしかいない。文化の架け橋のシンボルにもなり、民族間でいがみ合いがあったが、それを超えて統合する象徴としてふさわしいのがブルース・リーだったのである。そんなすごい人はもうブルース・リーしかいないのである。ブルース・リーは敵に一人で立ち向かっていく。肉体一つで。上半身から血を流している姿はキリストのようにも見える。キリストであればそこで十字架に架けられて処刑されて終わってしまうが、ブルース・リーはそこから反撃に出るのだ。どっちがすごいかは一目瞭然である。こんな巨大で偉大な人間はブルース・リーしかいないのである。ブルース・リーの映画は内容としてはそれほど良くないのかもしれない。しかし、ただそこにブルース・リーが映って動いているということだけが人間の魂を揺さぶるという話なのだ。こんな人間がいるっていうことがどれだけ人を勇気付けるか。なんというカッコいい信じ難いような人間が地上にいたのかという気持ちにさせてくれるのだ。世界中でみんながあの人になりたいと思ってマネをするようになった人間はブルース・リーしかいない。
人間の目標になる人である。我々はブルース・リーという人がいたから生きていけるのだ。伝説を感じ、そして泣け!!
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