先日、私が働いているお店にある外国人(黒人)がやってきて少し接客したのだ。いくつかの商品を買っていただき、日本に来て7年になるという。カナダから来たとおっしゃっていた。今年のニューヨークは非常事態宣言が出るほどの寒波が押し寄せていたのを知っていたので、カナダも寒いのかどうか聞いてみると、カナダもどうやらかなり寒いらしい。大変だな。
その話を聞いて、去年の3月にニューヨークとワシントンDCに行ったことを思い出した。ニューヨークのJFK空港についた時も吹雪であった。JFKは初めてだったので、そこらへんをウロウロしていた。バスでマンハッタンに向かう予定だったので、バスを探していたのだが、英語がほとんどわからない私なので、やっぱり迷っていた(笑)。そこに話しかけてくれた人がいるのだが、どうやら公共の交通は吹雪によりストップしているという。これは本当だったのかどうかはわからないが。その人はタクシーのドライバーらしく、マンハッタンまで連れて行ってあげると言っているようだ。会話の中に“・・・$5・・・”と聞こえたので、マンハッタンまで$5とは格安ではないかとついつい喜んでしまい、そのドライバーについていくことしたのだ。今思えばそんな安くマンハッタンまで行けるわけがない(笑)。車内で詳しい話を聞いていると、1分$5なのだ。マンハッタンまでだいたい50分くらいで、その間に橋、トンネルの通行料も私が払わなければならないので、結局4万円近く取られてしまった。出国する前に$300用意していたが、後日もう$100追加して新札$400が一気になくなってしまったのだ。ニューヨークに着いて1時間もしないうちに私は現金をほとんど失ってしまったのだ。3年前に初めてニューヨークに行った時のお金を今回持ってきていたので、その残りを使うことに。アメリカはカード大国なのでなんとかなるだろうと思っていた。
お土産を買うのにもカードを使って買い物をしていたが、母から頼まれていた生地屋さんのお店で私のVISAカードが使えなかったのだ。私は2枚カードを持っていたので、違うカードアメックスで試してみたがこれも使えない。口座が違うので使えないわけがないと思ったが、使えないという事実は事実。その店をあとにした。その時は店の機械が悪かったんだろうとお思い、スーパーで水を買ってみたが、使えるではないか。やっぱり機械が悪かったんだと思い、安心していたが少し買い物をするとやっぱり使えないのだ。現金もない、カードも使えない。私は途方にくれてしまった。とりあえず日本総領事館に行こうと思い、偶然にも私が泊まっていたホテルから歩いて10分クラインところにあったので行ってみた。その日は土曜日で、土日は休みだという。これはピンチだ。今日と明日を今持っている少ない現金で過ごすことになる。日本から少しお菓子を持って行っていたし、ホットドックは$1で買えるし、そして今回もコーラでお腹をごまかしていた。この二日で食べたのがホットドック3個とクッキー数枚。
やっと月曜日になり、朝一で総領事館に向かった。予想以上に日本人が多く来ていて、数分待つことに。テレビがついていたが、NHKの連続テレビ小説が流れていた。私の番が来て、ある部屋に案内され、事情を説明すると、とりあえずカードの状況を調べようということになり、カード会社に電話してみた。どうやら私のVISAカードは上限額オーバーで使えなかったのだ。残り400円くらいだった。だから安い買い物は出できて、高い買い物ができなかったのである。そしてアメックスの方はおそらく磁気不良という結界になった。アメックスはここに来て初めて使ったのに、いきない磁気不良かよと思った。スタッフの方が優しい方でいろいろ相談に乗っていただき、やっぱり現金がないのはなにかあったときに大変だという。もちろんそれは私にもわかっていた。海外の現地のATMで現金を下ろせるように手続きをしていなかったので、ATMでも現金は下ろせなかった。これもここに来て初めてわかったこと。ここニューヨークでは今朝だが、日本は夜中になるが、一応家族に連絡しておいたほうがいいとおっしゃっていた。電話もいくらでも使っていいよともおっしゃってくれた。詳しい内容は忘れたが、書類を書いてその番号があるのでそれを日本の家族に伝えて、日本のとある場所でその番号と現金持って行って機会に入れれば、こっちですぐにでも現金が入るシステムがあるのだ。現金がないのは私も不安だった。とりあえずカードを復活させるために上限額を10万円引き上げてもらうと思ったが、日本は夜中なので夜になるまで待たなければならなかった。これも審査が入るのだが、もし上限額を上げてもらうことができなかったら日本に電話しようと思った。そのスタッフの方には申し訳ないが電話しないことにした。しかし、その時にももうわかっていたことなのだが、これは間違った選択だった。なにか起こってからでは遅いのだ。現金があれば解決できることもある。いくらカード大国とはいえ、現金がないのはやっぱり厳しい。家族に迷惑をかけたくないという気持ちがあったが、これは過ちだった。
結局カードの審査も通り、VISAが復活したのだ。これでとりあえず一安心した。ミュージカルのチケットやホテルのお金は日本で手続きしていたので、こっちで困ることはなかったので、遊ぶには不自由しなかった。まあ一つ、トップオブザロックに行くことができず、ニューヨークの摩天楼を上から見ることができなかった。これはまた今度行ったときの楽しみにおいておこう。
ニューヨークではイエローキャブに乗ろう(笑)。私が乗ったのはリムジンタクシー。白タク行為にあいたくなかったらイエローキャブとわかっていたのに、公共交通がストップしているという状況と誘惑に負けてしまったのだ。不安が正常な思考を奪い去ったのだ。いやー、恐ろしい(笑)。日本に帰ってこのことを母に言うと、「あんたにしてはめずらしいな(笑)」と笑われてしまった。まあ、これもいい思い出である。